nuloの日日是好日

今日の一言

立ち直らない

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ドン底に落ちて以来 TVはほとんど見なくなったのに、
朝ドラだけは 時々ランチ時に再放送を流し見してる。
なので 人間関係等はよく分かってないけど、
今日は東日本大震災について描いてた みたいだ。


津波で奥さんを亡くし、借金してまで買った船も無くし、
家も流され、その喪失感を埋めるため
アルコール依存症になった父親(浅野忠信)が、
5年かけて何とかお酒を断てそうな日が来た頃、
息子から仕事に成功した報告を受け、
その成長振りが嬉しくてたまらないのに、
喜びを分かち合う奥さんがいない現実を改めて知って
呆然となる。
止められそうだったお酒にも手を出してしまう。
これは祝い酒だったのかもしれないけど、
その席に奥さんはいない。
虚しかったろうな。

「5年は長いのか、短いのか」
そう問う父親。

震災から少しずつ復興はしていても、
あの日のまま時間が止まった人達は大勢いる。
前を向いて、とか、少しずつ乗り越えて行こう、
なんて言われても、
立ち止まったまま一歩も動けない人達はまだいる。
何度も何度も振り向いては
過去を引きずっている人達も多いと思う。
彼らには まだ5年なんだな。
そして 必死に生きてる息子にとっても 
まだ5年なんだろうな。

周りは助けてあげたいと思っても
父親の持つ深い悲しみは誰にも どうすることも出来ない。
ただ見守るしか出来ない。
ずっとずっと見守っていくしかないんだよ。

父親は「俺は立ち直らない!」
感情が爆発して泣き叫ぶ。
奥さんのことを忘れたくないから、
大切な存在だったから、
奥さんのいない現実を認めたくないから、
そして生き残った罪悪感もあるから、なのか。
辛いね。

だったら今の自分はどうなんだろう。
あの父親とは逆に、ドン底に落ちた日を
全て忘れたいから 早く立ち直りたい、
立ち直らなきゃいけない、
なのに なかなか立ち直れないのは
簡単には忘れさせてくれないから なのか。

“立ち直らない”と“立ち直れない”は全然違うのに、
どちらの思いも易々と消すことは出来ない。
傷を癒すには時間がかかるけど、
あの父親は 息子のためにも生きていかなくてはいけない。
これは自分にも言えることだけど。

今日の朝ドラは 前後の流れがよく分からないながらも 
父親の重い一言に泣けたよ。
 
タイトルすら うろ覚えだったけど
「おかえりモネ」って言うのか。
明日からは もう少し真面目に見るとします。